過去のイベント

Vol.32017/09/15 (FRI)
Rie fu(リエ・フゥ)

ドーム内にオープニングSEが流れ始めると、Rie fuがバイオリン、チェロ奏者と共にプラネタリウムのステージに登場した。
普段イギリスを拠点に活動を行う彼女が日本でライブを行うのは2016年12月以来、約10ヵ月ぶりとなる。2017年初頭からプラネタリウムでのライブを企画していたというので、約9ヵ月間にも及ぶ構想、制作期間を経て本公演が実現したそうだ。

ドームに映し出された夕景が刻々と表情を変え、暗闇が広がってゆく。最初に披露されたのは代表曲『あなたがここにいる理由』。静かなピアノのイントロからライブはスタートした。そして徐々にチェロ、バイオリンの音色が重なり、駆け上がり、鍵盤のクレッシェンドと共にサビを迎える。会場は一気に彼女の“歌”に吸い込まれていく。演奏が進むに連れて場内は暗さをさらに増し、観客は「見る」ことから「聴く」に感覚をシフトしていく。

次に披露されたのは彼女のデビュー曲『decay』。原曲のアップテンポなアレンジとは異なり、緩やかで優しいアレンジだ。曲の中盤には陽は完全に沈み、一等星が一つ、また一つと瞬きながら暗闇に輝き始める。ゆっくりと日周する星々と楽曲のテンポが重なり、プラネタリウムでしか味わえない静かで深い時間が流れていた。続く『Romantic(Strings version)』が始まる頃には、既に満天の星々がドーム内に輝いていた。先程までのスローなテンポとは異なり、楽曲の持つスピード感と呼応するように星々もテンポを上げ廻り続ける。最後のサビに差し掛かると、星々の間を無数の流れ星が流れ、観客は更にプラネタリウムと音楽の世界に引き込まれていく。そして新曲『Better View』のピアノソロアレンジも特別に披露された。

「この特別な空間を一緒に共有できたら嬉しいです」とMCを挟みライブは中盤に差し掛かる。続く『Until I Say』もファンの間では特に人気の高い楽曲だ。この楽曲をイメージして特別に制作された、花びらが舞い落ちるドーム映像が映し出されると、今までの少し緊張感のあった会場が暖かな空気で包まれていくように感じた。星空以外にもこういった映像演出ができるのは最新のプラネタリウムならではだろう。

次に披露された楽曲はRie fuのファンには聞き覚えの無いイントロだった。「LIVE in the DARK」ではお馴染みとなった、星や夜に関わる特別なカバー曲。今回は事前に自身のSNSを通じファンからカバー候補曲を募集し、その中の一曲をRie fu本人が選んだそうだ。楽曲はBUMP OF CHICKENの名曲『プラネタリウム』。意外と言えば意外な選曲だが、星空に溶け込むようにアレンジされたストリングスの音色と、彼女の声に染められたこの名曲が、特別な空間をより特別に演出する。歌詞を丁寧に歌い上げるパフォーマンスは、改めて彼女の表現者としてのポテンシャルの高さを示していた。

『プラネタリウム』が終わると、ドームには満月が映し出され『ツキアカリ』が演奏される。これもこのライブの為の特別な映像演出だ。まるで月明かりに照らされるように会場がうっすらと明るくなると、気持ちよさそうにうたた寝する人もちらほら居ることに気付く。この贅沢もプラネタリウムでの楽しみの一つなのかも知れない。

MCを挟み、ライブは後半に差し掛かる。新曲『Some Day』は楽器をアコースティック・ギターに持ち替えて披露された。夜の暗い海が投映され、星空とはまた違う“夜”が表現される。続いて『I Wanna Go To A Place...』がギターとストリングスで演奏される。このライブで最もエモーショナルに歌う彼女の歌声に導かれるように、徐々に夜が明け、真っ赤に染まる朝焼けが映し出された。そしてMCを挟み、最後の楽曲『Life is Like a Boat』が披露され「LIVE in the DARK」は終演を迎えた。

音楽は“記憶”と言い換えることができると思う。それは、音楽を聞くと当時の記憶が鮮明によみがえり、その時の感情までをも呼び起こす事があるからだ。特に名曲と言われる楽曲は、それぞれがその曲に対して、それぞれの記憶を宿している。最後に演奏された『Life is Like a Boat』もそういった意味でまさに“名曲”だ。13年以上前に発表されたこの楽曲を観客はそれぞれの記憶と重ね合わせて聞いていたに違いない。ドームには海に昇る朝日が映し出される。人生の船出と決意をテーマに歌われるこの楽曲に合わせた特別な演出だった。きっと「LIVE in the DARK」で聴いた『Life is Like a Boat』はまた、それぞれの新たな記憶となって、さらに名曲として聴き続けられるのだろう。



Vol.22017/07/20 (THU)
Schroeder-Headz

開場と同時にドームに投映されていた、夕景は時間と共に徐々に暗さを増し、“夜”が始まろうとしていた。19時30分、ステージに登場したSchroeder-Headz(渡辺シュンスケ)を観客は大きな拍手で出迎えた。ここから約1時間、MC無しのノンストップのライブがスタートする。ピアノの前に着いた渡辺シュンスケから感じ取れる緊張感が、一瞬にしてドーム内の空気を変え、誰もが彼が発する最初の“一音”に耳を澄ませていた。

この日、渡辺シュンスケが1曲目に選んだ楽曲は3rdアルバム『特異点』に収録されている「Lake bed」。ノスタルジックなイントロから「LIVE in the DARK」は静かにスタートした。演奏が進むにつれ、闇に包まれたドームには、徐々に一等星が輝き始める。曲の終盤には、暗闇、ピアノの旋律、そして満天の星々だけが残されていた。

続く「Newdays」もピアノソロによる演奏が行われた。演出は引き続き、満天の星々のみ。ゆっくりと日周運動をする星空に、明るく軽快なメロディーが響き渡る。改めて、『星空』という演出は、明るい曲も、落ち着いた曲も、聴き手のイマジネーションを高揚させ、それぞれの感性によって感動を生み出すものだと感じた。それは決して派手な演出ではないが、とても刺激的な体験なのだ。

続いて演奏される4曲には、全天周ドーム映像の演出が用意されていた。映像演出を担当したのは、数多くのライブ演出を手掛けるビジュアルデザインスタジオ“HERE.”。プラネタリウムで体験する全天周ドーム映像は、平面のスクリーンでは決して味わうことのできない、圧倒的な没入感がある。それは、自分自身がその映像世界に“入り込んだような感覚”といっても過言ではないだろう。

「Petal」では幾何学模様の世界を、「Surface」では空中を浮遊する感覚を、続く「Wildthing's Arm」では近未来SF映画のCGの様な不思議な世界へ、そして「Blue Bird」では水彩で描かれた絵本の世界へと繋がる。目の前に広がる非日常的な映像世界と、Schroeder-Headzの演奏がシンクロし、観客は一気に引き込まれ、感覚が覚醒していく。これもプラネタリウムライブでしかできない唯一無二の体験だ。

映像が終わると、ひと時の夢から覚めたように、満天の星々が煌めいていた。続く楽曲は、ピアノソロによる「インタールード」。即興で奏でられる、緩やかで美しい演奏に、覚醒した感覚が徐々にクールダウンしていく。そしてライブはクライマックスへ。

続く「HORIZON」でも全天周の映像演出が用意されていた。一言で表すと、それは万華鏡の中に入り込んだ感覚。花火のようなカラフルな光の粒子や線が、ドーム内を飛び交いながら幾重にも重なり、演奏に合わせて変化を繰り返す。ストリングスのオケに合わせ奏でられるピアノの旋律は、観客を優しく包み込み、まるで魔法の様に音楽と映像の世界に吸い込んでいく。

そして映像が終わると再び星夜の世界へ。最後の楽曲「DAWN」が演奏され始めると、徐々に夜空は白み、朝焼けが映し出された。演奏が終わり、渡辺シュンスケが立ち上がると、会場は大きな拍手でつつみ込まれていた。渡辺シュンスケは穏やかな表情で「星空も映像も美しく、僕自身も気持ちよく演奏させて頂きました」と語り、舞台を後にした。

プラネタリウムは星空を鑑賞する場所、宇宙を勉強する場所、という概念はもはや本イベントにおいては存在しなかった。リアルな星空、視野を覆い尽くす美しいドーム映像、そしてSchroeder-Headzが奏でる、繊細で優雅なピアノの旋律。そのすべてが高次元で融合し、プラネタリウムでありながら、全く新しい音楽エンターテインメント空間が形成されていたからだ。
そもそも都会で生活する人々にとっては、光害のない“真の暗闇”の中で満天の星々を見ること自体が“非日常体験”であり、その中で全神経を集中させて、音楽に向き合うことは他の音楽イベントでは味わえない、貴重な体験だったに違いない。



Vol.12017/04/12 (WED)
安藤 裕子

安藤裕子が人前で歌うのは、昨年12月のイベント出演以来、約4か月ぶり。座席数はわずか200席。プラネタリウムという、特殊な環境が作りだす期待と緊張感で、場内は他のライブには無い独特の空気で満たされていた。開場時、プラネタリウムドームには夕景が映し出され、本物の陽が落ちていくかのように徐々に場内は暗く、そして静かになっていく。

「お疲れの方もいらっしゃると思いますので、寝てしまった人を起こさないように、拍手はやめておきましょうね」という安藤らしいMCで『LIVE in the DARK』は幕を開けた。この日、一曲目に歌われたのは1stミニアルバムに収録の『summer』。本人が事前にSNSなどでアナウンスしていた通りの選曲に、観客の期待感は、より一層高まりを見せる。「うっすらとスターライツ!」と唄われるサビに差し掛かると、夕暮れはその深さを増し、空には一等星が瞬きながら輝き始めていた。曲の終盤には完全に陽は沈み、はわずかなステージ照明と安藤の歌声、そして満天の星々だけが残されていた。

続く『勘違い』『星とワルツ』ではステージ照明も、さらにぐっと落とされ、プラネタリウム機が映し出す“高精細な星々”と“音楽”のみ。他のライブではあまり経験できない特別な空間が形成されていく。ピアノとギターによるシンプルな編成で歌う安藤の歌声は、まるで星明りから降り注ぐような不思議な感覚に囚われ、改めて彼女の表現者としての才覚が際立っていた。

プラネタリウムには星空を愉しむ以外に、もう一つ大きな魅力がある。それは視野を覆い尽くす程に、ドーム全体に広がる全天周の映像だ。シングル曲でもある『海原の月』『The Still Steel Down』では、雲間に灯る月明かり、海に沈む月、そして四季が緩やかに巡り、オーロラの映像が映し出されると、その圧倒的な没入感と、彼女の心地よい歌声に観客はさらにプラネタリウムの世界に飲み込まれていく。

続く『唄い前夜』でも、安藤の優しくそして静謐(せいひつ)な歌声と共に、天の川銀河、太陽系が現れ、私たちの住む地球が映し出された。それはまるで、宇宙から地球を眺めているような浮遊感すらも感じられた。決して派手ではないが、この美しい音楽と映像の融合はプラネタリウムならではだ。

場内に再び星々が輝くと、「プラネタリウム」(原曲:大塚愛)が披露された。ドーム全天に投影された88星座の下、原曲よりもテンポを落としたアレンジでゆったりとした時間が流れていく。そして『のうぜんかつら(リプライズ)』が始まると徐々に夜空は白み、朝陽と共にライブはクライマックスへ。朝を迎え、ドームいっぱいに広がる青空の下、安藤は小沢健二の名曲「ぼくらが旅に出る理由」を力の限り歌い上げ会場を後にした。

星々が輝く暗闇の中、耳を澄まして感覚を研ぎ澄ませる。これは非常に集中力と体力がいる。開演中は、安藤の顔さえも見ることのできない場面もあるライブだったが、だからこそ普段のライブでは見落としてしまいそうな微かな声の揺らぎや、感情の起伏を感じることができる。プラネタリウムという特殊な環境と、感情表現に長けた安藤裕子の“歌声”がシンクロした、唯一無二のライブとなった。

【ブッキングに関して】
本イベントに関するご質問、ブッキングに関するお問い合わせは、下記ボタンよりお問い合わせください。
本文の始めに「LIVE in the DARKに関するお問い合わせ」と明記してください。

※お問い合わせは音楽レーベル、事務所関係者、プロダクション、代理店の方に限らせていただきます。

※一般のお客様からのアーティストのリクエスト等にはご返信いたしませんのでご了承ください。

お問い合わせはこちら

ページトップへ戻る